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リフォームについて

音響と防音・防振について

はじめに

ご近所からの音が気になるので遮音する。
ご近所に迷惑にならないように防音する。
音による振動が起こるので防振する。
等、音や振動のことは心配ですね。
耳障りな音、嫌な振動、体に感じる不快な音や振動にお悩みの方は、思いのほか多くいらっしゃいます。
ご近所のことだからと我慢をして暮らすことがストレスになって、ますますその音や振動に過敏になってゆく。
そのような事例をいくつか見てきています。しかし、音や振動について、現状をきちんとした理解のうえで防音や遮音そして防振を考えると、以外に快適な暮らしが取り戻せるものです。
一度耳についた音や体に感じる振動は、平均値以下になったとしても、ご本人の感覚では不快なことに変わりなく、これが人間と言う高等な種族の困ったところ です。思いの行くところに神経が集まり、必要以上にそこへのめり込む。気になりだしたらとまらない。つまり過剰な反応を自らが作り出してしまうのです。
日常生活を送る上での平均的な音にも反応し音や振動がストレスとなってご自分の居場所を失くしてしまうような方もいらっしゃいます。
音や振動の工事の際は、まず確認作業が一番大事です。
工事前と工事後の実態をしっかりと確認すること。時には測定や録音、撮影なども必要になります。そして最終的にはその確認作業をすることにより、過敏になった神経を癒してゆくことが大事です。

遮音・防振設計

遮音・防振構造概念図

部屋の遮音性能は、D値という等級で評価されますが、D値と聞こえ方はおおよそ下記表のような関係になっています。
この評価は一般住宅であり、ライブハウスで、ロックのような大きな音を出した場合 2ランクほどずれてきます。
隣室の使用条件により必要な遮音性能は変わりますが、D-75~D-65程度が目標値となります。

遮音等級と聞こえの関係(一般住宅)
遮音等級 ピアノ・ステレオ等の大きな音
D-65 通常では聞こえない
D-60 ほとんど聞こえない
D-55 かすかに聞こえる
D-50 小さく聞こえる
D-45 かなり聞こえる
D-40 曲がハッキリ分かる
D-35 よく聞こえる
D-30 大変よく聞こえる
D-25 うるさい
D-20 かなりうるさい
D-15 大変うるさい
遮音等級と聞こえの関係(ライブハウス)
遮音等級 ライブハウス
D-75 通常では聞こえない
D-70 ほとんど聞こえない
D-65 かすかに聞こえる
D-60 小さく聞こえる
D-55 かなり聞こえる
D-50 曲がハッキリ分かる
D-45 よく聞こえる
D-40 大変よく聞こえる
D-35 うるさい
D-30 かなりうるさい
D-25 大変うるさい

「建築物の遮音性能基準と設計指針」日本建築学会より

室内の響き(残響時間)

グラフ

響きは、音楽などに豊かさや暖かみを与えますが、響きすぎると演出の妨げになります。
また、極端に響きの少ない環境では、普段の生活空間と異なって、耳に圧迫感を感じるなど、快適な環境を得ることができません。室内の最適な残響時間は、音楽のジャンルにより異なります。
クラッシック・アコースティックな音楽では、やや長め(ライブ)、ロックや講話などでは短めに(デッド)設定します。
また、用途が多目的の場合は、やや短めに設定し、長くしたい場合は、音響を調整できるパネルを使えば、お好みの響きに調整できます。
現在、響きすぎて困っている場合や、ハウリングでスピーカの音量が上げられず困っている場合も現状の仕上げをいじらずに音響調整ができます。


音響障害の防止

聞きやすく、高音質で快適な音空間を実現するためには、“響き”だけではなく、音質を悪くする反射音を無くすことが必要です。
特に、ステージに客席後ろから直接跳ね返ってくる反射音や、平行する大きな反射面がある場合は、音響障害となりますので対策が必要となります。

  1. ステージに客席後から跳ね返ってくる反射音

    対策---------客席後方部の吸音処理

  2. 並行する大きな反射面

    対策---------吸音処理・拡散処理(形状変形)

遮音室や防音室の選び方

防音室は、部屋に他の部屋の音が入らないようになった状態をいいます。
これに対し、相互の部屋の音が入らないようにするという状態を遮音室といいます。

ピアノの平均音圧レベルは95dBと言われています。この音を隣室で通常ではほとんど聞こえないというレベル 25~30dBに落とすとすると、55~60dBの遮音壁が必要になります。

鉄筋のマンションの場合、D-45~50程度の遮音性がありますが、部屋の開口部(扉や窓)から音は漏れていきます。
そこで二重サッシや、浮き壁を造って、遮音性能の目標値に近づける必要があります。 目標値の設定は、希望条件によって変えればよいでしょう。

また、固体伝播音という床や壁を伝わって耳に届く振動音も忘れてはいけません。
これを防ぐには建物の構造体を強くする、床にクッション性のある材料を使う、浮き床にして構造体と離すなどの方法があります。演奏する上で音の響きの調整も必要です。

●遮音等級と生活実感の関係
遮音等級 ピアノなど特に大きい音(95dB) テレビ・ラジオ・会話など(60dB)
D-65 聞こえない まったく聞こえない
D-60 ほとんど聞こえない まったく聞こえない
D-55 静かな時に聞こえる まったく聞こえない
D-50 小さく聞こえる 通常では聞こえない
D-45 かなり聞こえる ほとんど聞こえない
D-40 曲がハッキリ分かる 小さく聞こえる
D-35 よく聞こえる かなり聞こえる

オーダーメイドならではの残響調整

“残響”とは音を発生し急に止めたときに残る響きのことをいい、一定の音エネルギーが60dB減衰するまでの時間のことをいいます。
一般的に講演などの話を聴くためのホールは残響時間を短く、音楽は長くと、言われています。
しかし、音楽は長くといっても楽器によっても違いますし、宗教音楽は2.8秒、クラッシックは1.6秒が良いとされ、さまざまなのです。また、同じ残響時間でも部屋の大きさにより聴こえ方が変化します。
残響時間を調整することにより、『よい音』が響く、最適な音場環境を創りあげることができるのです!

ファーストステージが提供するあなただけの夢の空間!

事前の聞き取りと打ち合わせの元に納得のいく設計を行い、快適な防音室を施工いたします。音圧レベルや遮音性能を考慮し、どんなお部屋にするか、楽しみながら一緒に作っていきます。周りを気にしないで、思いっきり楽器が弾ける、あなただけの夢の空間を作ることができます。

防音の知識

音の定義

簡単には、空気の振動が音【音波】elastic wave となって、聴覚に伝わる現象を音としています。
音源振動【叩く・吹く・触る・蹴る・撫でる・擦る】等・・の影響で空気中【媒質中】の粒子が連続的に分散伝搬し速度変化を起こし、縦波【疎密波】のエネルギーとなって、私達の聴覚に達して、骨・神経・を通じ、脳に信号を送り、音として初めて感じます。
音波の有る空間を【音場】acoustic [sound] fieldと言います。音は1秒間に340m(15℃)も進みます。
1秒間に音の進む長さをC(m/s)で表します。この様に音は空気の有る場所だけで存在する現象です。ちなみに真空の宇宙では、星の爆発音も聞こえません。映画の世界では聴こえてますが・・・

一般的に自分にとって好ましくない音の事を【騒音】noiseと言い、その騒音対策の措置等を総合的に【防音】noise insulation として定義しています。大体130dB(生ドラムの演奏時の音圧等)を超えると聴覚支障をきたすと言われています。
騒音には・・人の声・動物の鳴き声・道路・鉄道・航空機・工場・建設・近隣・音楽・携帯電話等のあらゆる生活音等がその基になる要素を含んでいます。

音は色々な要素によって微妙に影響されます・・。温度や風によっても左右されます。
音の性質として昼間は空気粗密が空の方に発散されやすく、夜間は地上に音が降りやすくなり、昼よりも音が聞こえやすくなります。風が吹いている時は風上から風下に音が流れて、風下の方が聴こえやすくなります。
又、物の形状・大きさや、硬い素材に音がぶつかると音が増幅されたり、柔らかい素材に対しては、音のエネルギーが分散されたりして、音質も変化します。もちろん空気の質量によっても、音を微妙に変化させます。

音は距離によっても減衰します(距離減衰)。音のする所から、聴こえる所までの距離が遠いほど、音は次第に静かになります(距離が2倍在る時には音圧は4分の1に減少します。)
又、音の広がり方も微妙です。音の発生源から遠い場所にあり(航空機・舞台上の歌手等の音等・・)の極小の点音源の場合は、円状に広がる傾向にあります。この様に音を一つとってもなかなか奥が深いですね。

デシベル dB

空気中の気圧の変化で起こる音のPOWERの単位を総称して【デシベル】decibel 単位通称【dB】として表しています。
dBは非常に小さな雪の降る音から、その1000億倍にも成る雷音まで、表示的に10桁にも成ってしまいます。これを音のエネルギーに換算する時に大変なので、この不便さを無くす為にデシベルと言う計算単位を持って表す事になりました。
そもそもdBのdはデシリットル(deciliter・ベル単位)、Bはグラハム(Graham)・ベル(Bell)電話の発明者)の名前からの由来で、元々は電話の送信関係の単位でしたが、現在では、音のPOWER LEVELとして使用されています。
音を細部に分けた場合・・音源を基に発生する単位では、1秒間に出すエネルギーをワット・W。1m2のエネルギーをW/m2。単位音速当たりをW・s/m3。音による気圧変化をパスカルPaとして区分しています。これらの総合した総称の音響パワーレベルのdBは単位としては国際基準となっていますので遮音性能を知る単位では一番安心出来ます。
これらのレベルをSOUND PRESSURE LEVEL(SPL)と呼ぶ場合もあります。

空気粗密の振幅が大きいと、大きな音で聴こえます。各メーカーではデシベルを防音性能の基準として用いていますが、dBと同じ様な単位で、遮音性能基準(standards on sound insulation)では、D値があります。
これは日本工業規格JISにおいて決められた遮音表示です。D値=D等級(difference of sound level)その他Dr等級としているところもありますが、厳密にはdB表示とは異なります。
いずれにせよこれらの数字が大きいほど防音の性能が高いことを意味しています。下の図は100dBのアルトサックスの音源の音のパワーが、防音性能(透過損失)60dBの壁によって防音され、耳には40dBで達していることを表しています。

音のパワーと防音の関係

メーカーの防音室の遮音性能dBに関しては、次の様に解釈すると分り易いと思います・・
特定の周波数帯域で、音の大きさdB(音圧)が100dB(100%)ある場合に、遮音性能30dB又はD-30(30%cut)の防音室を使用すると、100dBの音が30dBカットされ、音圧を70dB(70%)に低減出来る・・って、単純に思った方が理解しやすいと思います。

デシベルは遮音計測器で計ります。人間の耳で聞いた音の感覚的な大きさと、物理的な計測値との音の相互関係を表すことはかなり高度で難しくなります。人間は大きな音に対しては、圧縮して聴くように耳の補正能力があります。
また人間の受音には固有な特性と限界があるのと、個々によって聴感覚的にも心理的にも影響され、音の判断力にも個人差もありますし、同じ音の大きさ(音圧)でも周波数によっても違う大きさに聴こえてしまいます。

耳は10dB大きくなると2倍に、20dB大きくなると4倍の大きさに聴こえる性質があります。この様な人間の聴覚感覚に近づけた、騒音の基礎的評価方法で用いるラウドネス・loudness(音の大きさ)は、周波数補正回路のあるA特性(31.5~8000周波数Hz)の基準補正値を用い騒音レベルにおいて表し計測します(純音の等ラウドネス曲線ISO・R-226・・JISC1502、1505等・・)。
このA特性は人間が最も受音しにくい低周波を、計測特性でも受け入れにくく設定して補正しています。この様な点で一般的な遮音の現場調査では聴感覚に近いA特性を用いています。
この他に物理的に各周波数帯域で均等な感度で計れるC特性は周波数を計測したい場合に用いますが、騒音や防音の評価方法においては、人間の受音に近く補正しているA特性が適しています。

透過損失

透過損失を遮音性能(防音性能)と理解すると簡単です。透過損失・TRANSMISSION LOSS【TL値】は、音源が色々な角度から材料や構造物にぶつかり、吸収されたり、迂回したりして通り抜け、音がどの位に減少されたかの単位です。

一般的に壁や構造物が重くてどっしりしていると、音の圧力に負けず、音のエネルギーを防ぐのに効果的です。お部屋の広さに対して、どれだけの遮音性能を持つ重い材料(面積当たりの素材重量=面密度)を使用するかで決まります。

極端に言えば 防音(遮音)=重さ とも言えます。

例えば40dBを5dBアップさせた45dBにするだけでも、2倍の重量の素材が必要になってしまいます。10dBをアップした50dBの場合は4倍・・となってしまいます。その場合は重さをかけない様に、空気層や吸音素材を用いる事で、音のエネルギーを減少させる軽量構造の方法があります。

透過損失の式は簡単で、Li(入射音)、Lt(透過音)、TL(透過損失)・・・・TL=Li-Lt(dB)の関係とな ります。又、同じ面密度の時、周波数が高いほど透過損失は大きくなります。特に防音室・防音工事・防音製品の遮音性能を判断する上での基準になりますが、 遮音性能はメーカーの独自検査方式での数値や単位の為に、dBと同等で適正な数値が表示されているかは判りません。中には遮音性能でかなりオーバーではな いかと思われる、遮音性能の図やデータもあるようですので注意が必要になります。

質量則

透過損失は壁や構造体の【面密度】area densityが重いほど大きくなります。これを一般的に質量則と呼んでいます。

面密度とは材料の単位面積当たり1m2/㎏・・重量を言います。その数値が高ければそれだけ防音に効果的です。

要するに重い方が大きな音のエネルギーを止めるのに効果的と云う事です。ただし面密度だけでは防音性能が発揮出来ません。隙間・換気扇性能・開口部損失・音の増幅作用等による遮音性欠落もおきますので、それらに対する十分な配慮が必要です。

一般的に低い周波帯域に近くなるほど遮音性能効果は無くなります。それは低い音を止めるのは高い周波数帯域を防音するよりも、かなりやっかいだと言う事です。そうゆう意味からしても重低音の防音(ドラム・ベース等の音)は難度が高くなります。その様な場合は、特殊な工法や充填素材が用いられます。

あまり重くしないで、軽量にして遮音性能を上げたい場合は、素材と素材の間に空気層や制振素材と工法を用いた、音のエネルギーを弱めてしまう中空構造「空気層入り」にします。しかし、ただ単にこうした面密度や質量則の措置をしても、音圧エネルギーが壁を揺らして屈曲したり回折し、それを基に連続し共振するコインシデンス効果が起きたり、固定取付け部分の音の連結作用で、サウンドブリッジ等の現象がおきて、かえって構造等に音が伝わりやすくなったりで、防音工事をした意味がなくなってしまう事も見かけます。 この様に防音の世界は、建築的技術だけでの対応ですと難しいものです。

ただし、100%音が漏れないと云う防音は不可能である事も認識しなければなりません。

換気や隙間・空気の流通がある以上は音が漏れます。防音の最先端のNHKのスタジオでも80dB前後の遮音性能と聴いていますが、それでも100% ではありませんが、人間の耳には聴こえない範囲に抑えられています。又、このスタジオの防音構造は重量的にも、厚さも一般的な人の想像以上に凄い物で、当 然に一般住宅で同等の遮音性能を得る事は、構造的・物理的・費用面で不可能となります。

おおよそ木造一般住宅で30~45dB、マンションで30~70dB程度の防音工事が限界でしょう。

音場の知識

一般的に室内の音の環境は、設置されている物の位置や形に影響され、室内の間取りや形状・材質により音場は微妙に変化します。

ご家族には、歌(声楽・オペラ・ポップス)を歌いたい方も居れば、ピアノや管楽器(サックス・フルート)、弦楽器(バイオリン・チェロ)、打楽器 (ドラム・シロフォン)を鳴らしたい方もいます。音の性質や特徴がこの様に色々と異なる場合は、両方の音の環境をそれぞれ満足させる事は困難です。ある程 度の線を決めて妥協しなければなりません。
防音工事の場合は部屋の形状を変化させたり、音源からの距離を有効に使うことができますが、狭い組立式防音室や防音室の場合では、音響的にかなり不利な設計となります。これは音響設計上やむ終えません。これらを少しでも改善する為に、吸音材や反射板を設置して聴きやすい室内に近づけています。

初めに吸音防音(遮音)とを一緒の現象と思っている方が多いのですが、全く異なる現象です。音のエネルギーを熱のエネルギーに分散してしまうのが吸音と呼ばれる現象で、音の性質を分解し音を柔らかくします。

例えばピアノのキンキン響き過ぎる部屋を吸音すると、余計な響きが無くなり本来の音が蘇ります。又、室内で手をパーンと叩くと音の残響や反響が分かりますが、この音の長さをコントロールするのも、吸音の役目です。
それから皆さんの中には音が熱なんて発生しているの?と思う方もいると思いますが、音は実際人間には感知出来ないほどの熱を音は発生させています。
この様に音をコントロールする役目を持っているのが吸音で、不快な反響音を減らし、室内の音響の重要な役割をしています。一方防音(遮音)は単に音の大きさを抑える事だけを目的とした処置の事を言います。ですから、音楽主体のお部屋には防音よりも吸音は重要な役目を持っています。吸音は多少防音の補助的な役割をしている程度で、吸音自体には防音性があまり無いと認識してください。

吸音は材料等に入って来る音のエネルギーに対して、吸音されたエネルギーとの対比で表したものを吸音率と言い、使用面積に合わせて平均化したものを平均吸音率としています。数値が高い方がより良く吸音することを表しています。吸音は周波数帯域によっても影響されます。

素材 厚さ
mm
空気層
mm
周波数h・吸音率
250h 500h 1kh 2kh
合板 6 45 0.33 0.16 0.07 0.07
合板 6 90 0.20 0.10 0.07 0.07
合板 9 90 0.15 0.08 0.07 0.07
コンクリート布張り - - 0.03 0.03 0.04 0.06
石張り・タイル張り - - 0.01 0.02 0.02 0.02
板張床(木下地) - - 0.12 0.10 0.08 0.08
石膏ボード 15 300 0.35 0.45 0.55 0.65
石膏ボード 12 0 0.20 0.40 0.70 0.80
石膏ボード 9 0 0.20 0.35 0.60 0.70
石膏ボード 9~12 45 0.13 0.08 0.06 0.06
グラスウール32k 25 - 0.32 0.65 0.82 0.08
グラスウール32~48k 50 0 0.70 0.95 0.90 0.85
グラスウール40~160k 25 - 0.35 0.75 0.85 0.85
グラスウール40~160k 50 100 0.90 0.95 0.90 0.85
コンクリート - - 0.02 0.02 0.02 0.02
パンチカーペット 3.5 - 0.04 0.08 0.12 0.22
人間と椅子(劇場モケット張り) - - 0.34 0.41 0.43 0.42
木製の椅子(音楽教室) - - 0.02 0.02 0.04 0.04
カーテン0.25~0.3kg/m2 ひだ付 - 200 0.25 0.60 0.70 0.75
大型ガラス - - 0.06 0.04 0.03 0.02
細木毛セメント板 25 0 0.10 0.24 0.64 0.69

吸音率と響き

上のDATAでは、やはり硬いコンクリートは殆ど吸音されていませんね。それだけ反響が高い素材と云う事が分かりキンキンした音となって聴こえる傾向にあります。逆にロックウール等の柔らかい素材は音響上で吸音性能が優れている事が分かります。
吸音率が高いと、音がよく吸われ過ぎて、室内に入ると楽器の音や自分の声がボソボソしたような響きになり味気ない音になってしまいます、特に声楽の方の発声に負担がかかり良くありません。ですから最適な音の環境を得るには吸音の役目は大切な要素になります。
下記の図は吸音率の公式です。

吸音率の公式

楽器の最適な吸音率としては、ピアノの場合は音域や周波数帯域が広いので0.23~0.34の間が良いとされ ています。歌はできるだけ吸音率0.16~0.23と低く設定しないと、歌いにくく疲れます。又、響いて欲しい楽器(管楽器)の場合は 0.20~0.29。響きを抑えたい場合(パーカッション類)は0.25~0.36となります。
いずれにせよ、音質に合わせた吸音率の設定はDATAや計算上はできますが、人間は各自感じ方も違い、好みの音に適応させることは難しいものと実感させられます。

騒音対策における知識

本来、和風建築は木材が腐らない様に、風通しを良くするために窓も大きく取って、開放的な設計となっています。そのために隙間も多くて防音には不向きな構造です。
住宅での騒音対策を 考えるのなら、鉄筋コンクリート造が一番適しています。又、部屋の配置として防音的に良い場所は地下・1階の角部屋・外が駐車場や庭・上下斜めから挟まれ てない部屋が理想的です。又、騒音の音源が発生する部屋の隣に、寝室やリビング・勉強部屋を隣接させない設計も騒音対策上では必要です。

賃貸の場合の騒音対策としましては、防音工事の許可が難しく、出来ない場合が多いのですが、その様な場合は、組立式防音室ですと、家具の様に置くだけで設置でき、騒音対策上の措置として導入しやすいのではないでしょうか。

木造の建物の騒音対策

まず、騒音対策での建物の防音工事を実施する場合、壁の構造を遮音性の良い物にして隙間をなくし、騒音対策します。もちろん天井・床や通風孔も遮音しなければ、騒音はどこからも侵入していきます。また、窓やドアも遮音性能の有る物を選択し、窓の面積も縮小したりして騒音対策します。

屋根の騒音対策 屋根裏にはグラスウールを敷き詰める。屋根自体も遮音性能の良い重量構造体とする。
壁の騒音対策 壁の外は木毛セメント板を下地とした、モルタル塗りとして、内部は石膏ボード・グラスウール。
窓の騒音対策 木造の窓やガラス障子は遮音性能が無く、金属サッシか防音二重サッシにする。
天井の騒音対策 天井全面に石膏ボードを隙間無く貼り、その内部にグラスウールを全面に入れる。
出入口の騒音対策 襖・扉・ドアは遮音性能の有る物にするか、ゴムやシールドで隙間を無くす。
床の騒音対策 畳の下に合板・遮音シートを隙間なく貼る。板張りには遮音シート・合板・グラスウールを貼る。

 

マンション等の鉄筋コンクリート構造の騒音対策

鉄筋コンクリート造の騒音対策は、木造と基本的に同じです。ただ防音材の量や素材の違いと、コンクリート造の場合は、固体に音が伝わりやすく【固体伝播音】。音が反響しやすくなるのが特徴です。そのためこの様な場合の騒音対策として、吸音材料・制振材の選択と設計がポイントになります。
石 膏ボード・グラスウール・ウレタン・穴明きアルミ・ゴムシート・化粧吸音材・ジャージネット・厚手のカーテン等をうまく配置させる事が騒音対策上の音響設 計で大切です。又、部屋が四角形・正方形に近い場合は、なおさら反響しやすく、騒音対策の上で部屋の形やサイズにも工夫が必要です。それから見落としがち なのが換気口からの音漏れに対する騒音対策も必要になります。

換気ダクトからの音漏れを防ぐ、騒音対策としての処理は【鉛テープ・遮音シートの巻き付け・グラスウール巻き】での防音処理と、ダクトにカーブや直角の曲がりを付けたり、距離を長めに取ったりして、消音換気扇を付けたりして騒音対策します。
騒音対策での防音工事の決め手は、適切な材料の選択が大切なポイントになります。建物の構造や音響設計の基準に適し た、材料配分が必要です。素材の良し悪しで遮音性能も有る程度決定されてしまいます。素材の遮音性能に関しましては、DATA表がございますので、騒音対 策の上での参考にして下さい。

防音性能

防音性能 遮音性能DATA

表例の見方 単壁(一組壁)を、同じ素材物で2枚にしたのが複壁(二組壁)で、複壁の面密度が20m2/㎏の場合の遮音(防音)性能は28.1dBですが、複壁の間に空気層を50mm入れるだけで、34.9dBになります。更に空気層にグラスウールを入れると防音は効果的になります。ただし、あくまで計算上なので、構造的な欠陥や工法の誤り、隙間の程度等によって防音性能は低減します。
(下記の計算はサイレントデザインでの計算に基づきますが、数値の正確さは保証していませんのでご了承ください。実際のリフォームや防音工事の際はご自分で、再度計算される事をお薦めします)

基準値 500Hz

壁面密度
【複壁】
単壁
dB
複壁
dB
空気層
0mm
25
mm
50
mm
100
mm
150
mm
200
mm
250
mm
300
mm
350
mm
400
mm
1【2】 7.2 11.4 11.4 10.4 11.2 12.7 13.9 14.8 15.6 16.3 16.9 17.4
2【4】 11.4 16.1 16.1 15.9 17.4 19.6 21.0 22.1 23.0 23.7 24.3 24.9
3【6】 14.1 19.1 19.1 19.6 21.6 23.9 25.5 26.6 27.5 28.3 28.9 29.5
4【8】 16.1 21.2 21.2 22.5 24.6 27.1 28.7 29.9 30.8 31.6 32.2 32.8
5【10】 17.7 22.8 22.8 24.8 27.1 29.7 31.3 32.5 33.4 34.0 35.5 36.3
6【12】 19.1 24.2 24.2 26.7 29.1 31.8 33.4 34.0 35.5 36.3 37.0 37.5
7【14】 20.2 25.0 25.0 28.4 30.8 33.6 35.2 36.4 37.4 38.1 38.8 39.3
8【16】 21.2 26.4 26.4 29.8 32.4 35.1 36.8 38.0 38.9 39.7 40.4 40.9
9【18】 22.0 27.3 27.3 31.1 33.7 36.5 38.2 39.4 40.6 41.6 42.4 43.0
10【20】 22.8 28.1 28.1 32.3 34.9 37.7 39.4 40.6 41.6 42.4 43.0 43.6
15【30】 25.9 31.2 31.2 36.9 39.7 42.6 44.3 45.5 46.5 47.2 47.9 48.5
20【40】 28.1 33.5 33.5 40.3 43.1 46.0 47.7 49.0 49.9 50.7 51.4 52.0
25【50】 29.8 35.2 35.2 42.9 45.8 48.7 50.4 51.7 52.6 53.4 54.1 54.7
30【60】 31.2 36.7 36.7 46.1 48.0 50.9 52.7 53.9 54.9 55.6 56.3 56.9
35【70】 32.4 37.9 37.9 47.0 49.8 52.8 54.5 55.8 56.7 57.5 58.2 58.8
40【80】 33.5 38.9 38.9 48.6 51.5 54.4 56.2 57.4 58.4 59.2 59.8 60.4
45【90】 34.4 39.9 39.9 50.0 52.9 55.9 57.6 58.9 59.8 60.6 61.3 61.9
50【100】 35.2 40.7 40.7 51.3 54.2 57.2 58.9 60.1 61.1 61.9 62.9 63.1
55【110】 36.0 41.5 41.5 52.4 55.4 58.3 60.1 61.3 62.3 63.1 63.7 64.3
60【120】 36.7 42.2 42.2 53.5 56.4 59.4 61.1 62.4 63.4 64.1 64.8 65.4
70【140】 37.9 43.4 43.4 55.4 58.3 61.3 63.0 64.3 65.2 66.0 66.7 67.3
80【160】 38.9 44.5 44.5 57.0 59.9 63.0 65.4 65.9 66.9 67.7 68.4 69.1
100【200】 40.7 46.2 46.2 59.7 62.7 65.7 67.4 68.7 69.7 70.4 - -
120【240】 42.2 47.7 47.7 62.0 65.0 68.0 69.7 70.9 - - - -
140【280】 43.4 49.0 49.0 63.9 66.9 69.9 71.6 - - - - -
160【320】 44.5 50.0 50.0 65.5 68.5 71.5 73.3 - - - - -
170【340】 45.0 50.5 50.5 66.3 69.3 72.3 74.0 - - - - -
175【350】 45.3 50.7 50.7 - - 72.6 74.4 75.6 77.4 - - -
190【380】 45.9 51.4 51.4 - - 73.6 75.4 76.6 78.4 - - -
200【400】 46.2 51.8 51.8 - - 74.3 76.0 77.3 79.0 - - -
215【430】 46.7 52.2 52.2 - - 75.2 76.9 78.2 79.9 - - -
230【460】 47.2 53.0 53.0 - - 76.0 77.8 79.0 80.8 - - -
250【500】 47.9 53.6 53.6 - - 77.0 78.8 80.0 81.8 - - -
265【530】 48.2 54.1 54.1 - - 77.8 79.5 80.8 82.5 - - -
290【580】 49.2 54.8 54.8 - - 78.9 80.7 81.9 83.7 - - -
300【600】 - 55.1 55.1 - - 79.3 81.1 82.3 84.1 - - -
325【650】 50.0 55.8 55.8 - - 80.3 82.1 83.3 85.1 - - -
350【700】 50.7 56.4 56.4 - - 81.2 83.0 84.2 86.0 - - -
375【750】 51.3 56.9 56.9 - - 82.1 83.9 85.1 86.9 - - -
400【800】 51.8 57.5 57.5 - - 82.9 84.7 85.9 87.7 - - -
425【850】 52.2 57.9 57.9 - - 83.7 85.4 86.7 88.4 - - -
450【900】 - 58.4 58.4 - - 84.4 86.1 87.4 89.1 - - -
475【950】 - 58.9 58.9 - - 85.1 86.8 88.1 89.9 - - -
500【1000】 53.6 59.3 59.3 - - 85.7 87.5 88.7 90.5 - - -

一般的な防音の素材です。面密度とは素材のm2/㎏の重さです。面密度m2/㎏の数字が大きいほど、遮音性能は良くなります。
つまり重い素材ほど、防音に有効である事を表しています。この面密度は、防音工事には、最低限必要なデータです。

単体の素材 面密度 複合の素材 面密度
合板3mm 1.85 鉛0.3mm+合板5.5mm 6.80
合板6mm 3.70 鉛0.5mm+合板5.5mm 9.05
合板12.5mm 7.40 鉛1mm+合板5.5mm 14.70
ポリ合板2.7mm 1.60 鉛0.3mm+石膏ボー12.5mm 12.02
木質化粧ボード4mm 2.00 鉛0.5mm+石膏ボード12.5mm 14.27
石膏ボード9.5mm 6.17 鉛1mm+石膏ボード12.5mm 19.92
石膏ボード12.5mm 8.62 鉛0.3mm+フレキシブルボード5mm 11.50
石膏ボード15mm 10.49 鉛0.5mm+フレキシブルボード5mm 13.75
コンパネ12mm 7.20 鉛1mm+フレキシブルボード5mm 23.40
フレキシブルボード5mm 8.10 鉛0.3mm+木毛セメント板20mm 14.50
ラスボード7mm 4.80 鉛0.3mm+ラスボード7mm 8.2
PB12mm 9.00 鉛0.3mm+カラー鉄板0.4 6.55
鉛0.3mm 3.40 石膏ボード12.5mm両面+鉛0.5mm+空気層100mm 28.54
鉛0.5mm 5.65 フレキシブルボード5mm両面+鉛0.3mm 19.60
鉛1mm 11.3 石膏ボード9.5mm両面+鉛0.3mm+空気層45mm【GW入】 15.74
カラー鉄板0.4mm 3.15 アルミ引き違い窓5mm【エアータイト】 24.0
コンクリートブロック100mm 131.25 アルミ引き違い窓6mm【エアータイト】 30.0
ガラス3mm 7.50 ガラス5mm両面+空気層6mm 24.0
ガラス12mm 30.0 鋼製ハメ殺し窓6mmのペアガラス 30.0
ケイ酸カルシウム板12mm 18.4 ガラス6mm+空気層12mm 30.0
木毛セメント板20mm 11.1 ガラスブロック95mm 112.0
ナショナル遮音シート1mm 2.10 石膏ボード15mm×4枚+鉛0.5mm×2枚
+空気層100
53.26
サンダムK-PRO2.1mm 3.80 - -
グラスウール5kg30mm 1.50 - -
グラスウール50kg25mm 1.25 - -
PDボードNO.1212 19.0 - -

面密度は、遮音性能の基準値となります。面密度+空気層+周波数帯域を上手く考慮しながら、隙間も無いようにする事が防音工事の成功要因となります。
防音工事のリフォーム・建設会社や工務店の方々には特に必要なデータです。

素材の防音・遮音性能・dB(透過損失)

防音の素材 周波数h・dB
250h 500h 1kh 2kh
ラワン合板6 12dB 16dB 21dB 24dB
フレキシブルボード6 23 28 32 36
木毛セメント板30 4 5 5 5
ALC100 50kg/m2 31 28 35 44
ALC100 55kg/m2 32 29 37 46
ALC100 両面モルタル6 81kg/m2 33 35 44 51
コンクリートPC板100 240kg/m2 38 48 54 60
コンクリートPC板150 46 50 56 62
軽量PC板150 44 49 53 59
PC板100 PB12 40 51 57 61
PC板100 スタッド50 PB12 44 52 63 67
軽量コンクリートブロック100 24 27 31 37
軽量コンクリートブロック100・両面プラスタ 37 41 49 56
軽量コンクリートブロック150・両面モルタル 37 45 53 56
ガラスブロック95 83kg/m2 34 38 44 47
ガラス3mm 19 25 29 33
ガラス6mm 25 30 34 28
ガラス8mm 25 32 33 31
ガラス10mm 27 33 32 34
ガラス12mm 29 34 33 38
ガラス15mm 30 35 34 42
ガラス19mm 31 35 36 46
ガラス3mm+空気層6mm+ガラス3mm 21 19 28 37
ガラス3mm+空気層12mm+ガラス3mm 17 21 32 42
ガラス4mm+空気層6mm+ガラス4mm 21 22 32 36
ガラス4mm+空気層6mm+ガラス6mm 23 26 35 36
ガラス8mm+空気層12mm+ガラス12mm 31 38 36 38
ガラス5mm+空気層50mm+ガラス8mm 32 37 47 47
ガラス5mm+空気層100mm+ガラス8mm 36 41 53 52
ガラス5mm+空気層200mm+ガラス8mm 39 46 53 51

 

参考・・上の表は、建築素材が持っている防音・透過損失(遮音性能・dB)を数字で表しています。周波数は500Hzが人間の声の中間帯なので、基準値にすると良いと思います。又、空気層(厚さ)を充分に取る事によって、低域の防音性能は大きく向上します。
それから、サッシの枠が遮音性能のない物で隙間のある場合は、ガラスの性能が発揮させない場合が多くなります。

参考・・同じ厚さのガラスの組合せは、共鳴やコイ ンシデンスが起きやすくなります。厚さの異なる組合せを出来るだけ計画しましょう。この方がガラスの周波数がそれぞれ違うので、お互いのコインシデンス効 果を打ち消しあうことと、低音共鳴現象による低下を減少させる効果があるために防音・遮音性能が良くなります。又、間に空気層を広く取ると、遮音性能は格 段に良くなります。
スタジオの窓は、ガラスの対面を平行に向けない様にする事で、共鳴を防ぐ効果があります。
この様にガラスの防音だけでも色々な工夫が必要です。